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コラム
2026.10.15

精液検査で何がわかる?

精液検査で何がわかる?

– 基準値の目安と検査を受ける前に知っておきたいこと –

妊活は、女性だけが取り組むものだと思われがちです。
しかし実際には、不妊の原因は男女でほぼ半々とされており、男性に原因があるケースも珍しくありません。
妊娠を望むなら、パートナーと一緒に、お互いの体の状態を知ることからはじめてみませんか。
今回は、精液検査でどのようなことがわかるのか、そして基準値をどう捉えればいいのかについてご紹介します。

精液は、精子だけでできている?

まず知っておきたいのは、精液の大部分が「精漿(せいしょう)」と呼ばれる液体でできているということです。
細胞成分である精子は、精液全体のわずか1~5%ほどしかありません。
「射精ができていれば問題ない」と思われがちですが、妊娠には、精子の数や運動性、形などが関わります。そのため、精液があるからといって、十分な数の精子が含まれているとは限りません。
精液量と精子の状態は、それぞれ別の視点で確認していく必要があります。

精液のうち精子が占める割合を示した図(大部分は精漿)

精液検査って、何を見ているの?

精液検査では、主に次のような項目を確認します。

1、射精された精液量
2、精液1mLあたりに含まれる精子の数(精子濃度)
3、動いている精子の割合を示す運動率
4、正常な形態と判定される精子の割合を示す正常形態率
5、生きている精子の割合を示す生存率

これらの数値を総合的に見ています。

基準値を下回ったら、もうダメなの?

WHO(世界保健機関)では、精液量、精子濃度、精子の運動率、正常形態率などについて、精液検査の基準となる値を示しています。
現在のWHO(世界保健機関)の精液検査ラボマニュアル第6版(2021年)では、精液量1.4mL、精子濃度1mLあたり1,600万、総運動率42%、正常形態率4%、生存率54%が下限基準値として示されています。
ただし、これらの基準値は、「妊娠できる・できない」を決める数字ではありません。妊娠に至ったカップルの男性の精液所見をもとに設定された、ひとつの目安です。
基準値を下回っていても妊娠することはありますし、基準値を満たしていても、なかなか妊娠しないこともあります。
まずはご自身の状態を数値として知ること。そして、必要であれば専門医に相談しながら、その結果をこれから何ができるかを考えるために活かしていくことが大切です。

WHOラボマニュアル第6版(2021年)の精液所見の下限基準値の表

精液検査って、なんとなく気が重い?

男性の中には、「検査を受ける」という一歩を踏み出しにくいと感じる方も少なくないかもしれません。また、精液検査という言葉に、気が重いと感じる人もいます。
ただ、検査は特別なことではなく、妊娠を望むふたりにとって、お互いの体の状態を知るための自然なステップのひとつです。
赤ちゃんは、ふたりの間に生まれてきます。卵子も精子も大事なもの。
パートナーが検査を受けているのと同じように、男性も自分の状態を数値で把握しておくことが、今後の妊活を考えるうえで大きな助けになります。
精液検査は、不妊治療を専門とするクリニックであれば、同じ施設で一緒に受けられます。ひとりで受ける場合は、パートナーが通院している不妊治療クリニックか、泌尿器科でも受けることができます。検査後の相談もしやすくなるので、パートナーと同じクリニックで検査をうけるのがおすすめです。
検査を受ける際には、採取方法や提出方法など、事前にクリニックへ確認しておくと安心です。

検査を受ける前に、気をつけることは?

精液検査を受ける際には、いくつか注意しておきたい点があります。

1、禁欲期間
禁欲期間が短すぎたり、長すぎたりすると、精液量や精子の状態などの検査結果に影響することがあります。
WHOでは精液検査の前の 2~7 日程度の禁欲を推奨していますが、よしひろウィメンズクリニックでは、それぞれに最適な禁欲期間をご案内しています。

2、複数回の検査
精液の状態はそのときの体調やストレス、睡眠不足などによっても変動しやすいため、一度の検査結果だけで判断せず、必要に応じて複数回検査を行うこともあります。

数値が低いのは、「たまたま」かもしれない

もし検査の結果、基準値を下回ることがあったとしても、過度に心配する必要はありません。
精液検査の結果は、体調やストレス、睡眠、禁欲期間などによって変動することがあります。同じ人でも、検査するタイミングによって、結果に2~4倍以上の差が出ることも珍しくありません。

そのため、1回の検査で数値が低かったからといって、「自分は精子の状態が悪い」と決めつける必要はありません。もしかすると、そのときは「たまたま調子が良くなかった」のかもしれません。
精液所見は大きく変動するため、1回の検査だけでは判断できないことがあります。必要に応じて複数回検査を行い、それぞれの結果を総合して判断します。

一方で、複数回の検査で毎回同じように数値が低い場合には、医学的な原因が関わっている可能性もあります。原因を調べることで、その後の対応を検討しやすくなります。
大切なのは、数値を見て一喜一憂することではなく、その結果をこれから何ができるかを考えるために活かすことです。

*「なぜ数値が低くなるのか」という原因については、「精子の数や運動率が低いのはなぜ?」で詳しくご紹介していますので、気になる方はあわせてご覧ください。

結果は、まずパートナーに話してみる

検査の結果は、ご自身だけで抱え込まず、パートナーと共有しておくとよいでしょう。
数値の意味をよく理解しないまま「悪い結果だった」と受け止めると、必要以上に不安になってしまうことがあります。気になる点があれば、次の受診の際に医師へ直接質問していただいて構いません。
ひとつひとつの疑問を解消しながら進めていくことが、ふたりで妊活に取り組むうえでの土台になります。

数値を知ることは、不安を生むためではなく、これから何ができるかを考えるための第一歩です。気になる方は、おひとりで抱え込まず、パートナーと一緒に精液検査を受けることから始めてみてはいかがでしょうか。
次回は、精子の質を保つために今日からできる生活習慣についてご紹介します。

精液検査のよくある質問

Q. 精液検査は、院内で採精するのですか?

院内で採精する方法のほか、自宅で採精してクリニックへ持ち込む方法もあります。どちらの方法になるかは、クリニックによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

Q. 採精するとき、気をつけることはありますか?

A. 採精前には、手をきれいに洗っておきましょう。院内で採精する場合はメンズルーム、自宅で採精する場合はほこりやちりの少ない清潔な場所など、落ち着いて採精できる環境で行います。クリニックから渡された専用の容器に、精液を全量、直接射精します。採精後は、容器が傾いたり滑ったりしない、安定した場所に静置しておきましょう。

Q. 採精した精液は、どのように持ち運べばいいですか?

容器のふたがきちんと閉まっていることを確認し、こぼれないように持ち運びます。また、外気の温度にさらされて極端に冷たくなったり、温めすぎたりしないよう、できるだけ採取したときの温度を保つことが大切です。持ち込むまでの時間や温度管理については、クリニックによって指示が異なる場合がありますので、事前に確認してください。

Q. 採精してから、どのくらいでクリニックに持ち込めばいいですか?

A. 採精してから持ち込むまでの時間には、施設ごとに決まりがあります。検査を受けるクリニックに、あらかじめ確認しておきましょう。

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