採卵って痛い?
– 採卵の不安を減らすために知っておきたいこと –
採卵って、痛そう」と思っていませんか?
体外受精を考えたとき、「痛いことをされる?」「大丈夫かな?」「怖いな……」と不安になる方は少なくありません。
卵巣に針を刺して卵子を取り出すと聞くと、「かなり痛いのでは?」と想像してしまうのも無理はないでしょう。
だからといって、「痛いのを我慢するしかない」と考える必要はありません。痛みをできるだけ軽減し、不安を少しでも和らげるための方法があります。
まずは、どのような処置を行うのか、どのタイミングで痛みや不快感を感じることがあるのか、そして痛みを抑えるためにどのような方法があるのかを知っておきましょう。
「採卵って痛い?」不安になるのは自然なこと
体外受精では、卵巣で育てた卵子を体外に取り出す「採卵」を行います。
採取した卵子は、精子と受精させ、培養して胚を育てます。そして、その胚を子宮へ戻す「胚移植」へと進み、妊娠を目指します。
つまり採卵は、赤ちゃんを迎えるための治療の大切なステップの一つです。
とはいえ、初めて採卵を受ける方にとっては、
「卵巣に針を刺すと聞くと、痛そう……」
「麻酔を使うと聞いたけれど、本当に大丈夫?」
「採卵の後も痛みはある?」
など、わからないことが不安につながるものです。
採卵の痛みについて、「痛い・痛くない」と一言で表すことはできません。痛みや不快感を感じるタイミングも、その感じ方も人それぞれです。
だからこそ、採卵の前・最中・後にどのようなことが行われるのかを知っておくことが、不安を減らすための第一歩になります。
採卵では、どんなときに痛みを感じる?
採卵と聞くと、「卵巣に針を刺すときが一番痛いのでは?」と思うかもしれません。
実際には、痛みや不快感を感じる可能性があるのは、採卵そのものだけではありません。
採卵前の処置、麻酔を行うとき、採卵中、そして採卵後です。それぞれの場面で感じる刺激や感覚は異なります。
ここでは、採卵を受ける前に知っておきたい、4つの場面について説明します。
① 採卵前の腟洗浄
採卵では、事前に腟洗浄を行います。
なかには、「採卵そのものより、採卵前の処置が痛かった」と感じる方もいますが、採卵を安全に行うために必要な処置です。
採卵では、腟壁から卵巣・卵胞へ向けて針を進めるため、腟内の細菌などが採卵時の感染につながることを避ける目的で、腟洗浄を行います。
まずは外陰部を消毒液を含ませた綿球などできれいに拭き取り、腟内をしっかり洗浄できるように、クスコ(腟鏡)という器具で腟を広げます。このとき、グッと広げられるような圧迫感や違和感を感じることがあります。
つぎに、温めた生理食塩水を使い、腟内をしっかり洗い流します。その後、大きめの綿球やガーゼで腟の奥や壁を丁寧に拭い、分泌物や雑菌を落とします。
② 麻酔をするとき
「採卵は麻酔をするから大丈夫」と聞いても、「その麻酔の注射は痛くないの?」と心配になる方もいるでしょう。
麻酔を行う際にも針を使用するため、刺激を感じることがあります。
よしひろウィメンズクリニックでは、採卵時の痛みに配慮し、エコー下局所麻酔法を採用しています。
極細の針を使用して局所麻酔自体の痛みや出血を抑え、超音波でリアルタイムに確認しながら、痛みの起こる部位に局所麻酔を行います。
静脈麻酔では、採卵中の痛みを感じにくい一方、麻酔から覚めるまでの時間や、吐き気などの副作用によって、帰宅までに時間がかかる場合があります。
当院の行っているエコー下局所麻酔法は、採卵時の痛みをできるだけ軽減するだけでなく、採卵後の回復が早いのも特徴です。
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③ 採卵するとき
採卵では、超音波で卵巣や卵胞の状態を確認しながら、腟からプローブを入れます。血管の走行や卵巣・卵胞の位置などを確認したうえで、腟壁から卵巣・卵胞へ向けて採卵針を進め、卵胞液を回収します。
「卵巣に針を刺す」と聞くと、鋭い針の痛みを想像する方もいるかもしれません。
しかし、すでに局所麻酔が効いている状態なので、針を刺し進めることによる痛みはありません。
ただ、なかにはプローブや採卵針を進める際の押されるような感覚や、引っ張られるような違和感などを感じる方がいます。
実際に採卵を受けた患者さんからは、「採卵前はとても不安だったけれど、思っていたほど大きな痛みはなかった」という声もあります。採卵する卵胞数にもよりますが、かかる時間は10~20分程度です。
④ 採卵が終わったあと
採卵が終わったあとは、リカバリールームで安静に過ごします。
なかには、下腹部の痛みや違和感、少量の出血などがみられることがあります。
症状の程度や感じ方には個人差がありますので、気になる症状がある場合は、遠慮なく相談しましょう。
安静後は、医師の診察があります。

腟・外陰部周辺 → クスコ挿入時の「圧迫感・違和感」
腟の奥~卵巣周辺 → 採卵針が入るときの「押されるような違和感」
卵巣・下腹部 → 卵胞を穿刺するときの「押されたり、引っ張られるような感覚」
痛みや怖さは、我慢しなくていい
採卵への不安は、痛みだけではありません。
「何をされるのかわからない」
「痛みに耐えられるかわからない」
「緊張してしまいそう」
そんな気持ちを抱える方もいるでしょう。
怖いと思うことは、なにも特別なことではありません。
痛みや不安については、「我慢すればいいこと」と考えず医師や看護師に伝えてください。どのような処置をするのか、どのような麻酔をどこに使うのか、採卵後はどう過ごすのか。 一つひとつを知ることで、「何をされるかわからない」という漠然とした怖さを、少しずつ具体的な不安に変えていくことができます。
そして、具体的になった不安は、さらに医師や看護師と一緒に考え、対処することができます。
不安を抱えることは、決してマイナスなことではありません。不安だからこそ、知りたいことや相談したいことが見え、不安を解決することにつながります。
我慢するのではなく、不安な気持ちも含めて遠慮せずに相談してください。
体外受精のどの場面で痛みを感じやすいかは、「体外受精で痛みを感じやすいタイミングは?痛みを和らげる工夫も解説」でもまとめています。
安心して、次の一歩へ
採卵は、卵子を取り出すことだけが目的ではありません。
採取した卵子と精子を受精させ、胚を育て、その胚を子宮へ戻す。
採卵は、その先の妊娠へとつながる治療の一つのステップです。
痛みや怖さを感じることがあっても、それは決して「弱いから」ではありません。
だからこそ、痛みや不安を一人で抱え込まず、できるだけ安心して治療を受けられる方法を一緒に考えていきましょう。
採卵への不安を一つずつ減らしながら、その先にある、赤ちゃんを迎えるための一歩へ進んでいきましょう。
よしひろウィメンズクリニック上野は、「安心を先に届ける」ことを大切にしています。