受精率を上げるには?
卵子と精子、そして受精の方法
採卵で卵子が得られたら、次に気になるのが「受精」ではないでしょうか。
「ちゃんと受精してくれるかな?」
「いくつ受精するかな?」
「体外受精より顕微授精のほうがいいのかな?」
など、いろいろと気になることもあるでしょう。
この受精について、受精率に関係することも含めてお話ししていきます。
受精に関わる4つのポイント
① 卵子が成熟していること
受精には、卵子が成熟していることも重要です。
成熟していない卵子は、受精を完了することができません。
卵子が成熟しているかどうかは、第一極体を確認できることが一つのポイントになります。第一極体が確認できない未成熟な卵子は、ふりかけ法であっても、顕微授精であっても、受精することができません。
② 精子の状態
精子の状態も、受精方法を選択するときの判断材料になります。
精子の数や運動精子の数が極端に少ない場合には、顕微授精が選択されることがあります。
③ 体外受精と顕微授精
受精方法には、体外受精(IVF:通常媒精/ふりかけ法)と顕微授精(ICSI)があります。
体外受精と顕微授精では、顕微授精のほうが受精率が高くなる傾向があります。
では、すべて顕微授精にすればよいのでは?と考えてしまいますが、卵子と精子の力で受精が可能と判断できる場合は、基本的には体外受精です。
一方、精子の数や運動精子の数が極端に少ない場合や、前回の体外受精で受精が芳しくなかった場合などは、顕微授精が選択されます。
必要なところに医療技術を用いることが重要です。
一般的なIVF(体外受精/ふりかけ法)とICSI(顕微授精)の、正常受精率の目安は次のとおりです。

④ 胚培養士の技術
受精では、卵子や精子の状態、受精方法だけでなく、卵子と精子を扱う胚培養士の技術も関係します。
採卵された卵子の状態を確認し、適切に卵子と精子を扱い、受精後の胚を培養していくためには、胚培養士の知識や技術が必要です。
よしひろウィメンズクリニックの胚培養士は、知識と技術を磨きながら、培養業務にあたっています。
よしひろウィメンズクリニックでは、体外受精・顕微授精を受けられた患者さまを対象に、胚培養士による「培養士外来(受精結果・たまごグレード相談)」を行っています。
診察だけでは聞ききれなかった疑問や、もう少し詳しく知りたいことについて、培養の専門スタッフが直接お話しします。
詳しくは、コチラから
このように、受精には、卵子や精子の状態、受精方法、そして胚培養士の技術など、さまざまな要素が関係しています。
受精率を上げるためには?
「受精率を上げるために、何かしなければ」と考える人もいるかもしれません。
しかし、受精には卵子や精子の状態、受精方法など、さまざまな要素が関係しているため、何か一つをすれば受精率が上がるというものではありません。
卵子と精子の状態をできるだけ良好に保つこと、そして必要な治療を適切に受けること。この2つを分けて考えながら、ふたりでできることに取り組んでいきましょう。
① ふたりで取り組みたいこと
卵子と精子の状態をできるだけ良好に保つために、ふたりで生活習慣を見直してみましょう。
・栄養バランスのよい食事を心がける
・適度な運動を習慣的に行う
・十分な睡眠をとる
・喫煙を控える、やめる
・飲酒量を見直す
これは、コラム「採卵数を増やすには?」と「卵子の質は上げられる?」でも触れていますので、ぜひ、ご一読ください。
② 禁欲期間を設けすぎない
精子は、禁欲期間が長くなると、体内に古い精子が溜まり、酸化ストレスによってDNAに傷を持つ精子の割合が増えたり、精子の運動性が低下したりすることがわかっています。
そのため、コンスタントに射精することが大切です。
③ ふたりのコミュニケーションを大切に
治療が始まると、採卵や移植など、どうしても治療のスケジュールが中心になりがちです。性生活も含めて、ふたりが自然にコミュニケーションをとる時間も大切にしましょう。
体外受精は、赤ちゃんを授かるための方法の一つです。治療だけに気持ちを向けすぎず、ふたりの関係も大切にしながら進めていきましょう。
こうしたセルフケアは、受精率を保証するものではありません。「受精率を上げるために何かをしなければ」と焦るのではなく、卵子と精子の状態をできるだけ良好に保つための取り組みとして考えることが大切です。
受精率と妊娠率
一般的に、ふりかけ法より顕微授精のほうが受精率は高くなる傾向がありますが、受精率の高さが、そのまま妊娠率の高さにつながるわけではありません。
受精率だけを見て「もっと受精率を上げなければ」と考えるのではなく、卵子や精子の状態、そのときの治療状況などを踏まえて、自分たちに合った方法を選択することが大切です。
受精から妊娠、そして出産までは、いくつもの段階があります。
ふたりでできることに取り組みながら、必要な治療については医師と相談し、一つひとつ進めていきましょう。