院長ご挨拶

子を失う悲しみ……そして産婦人科医を目指し……
このたび、以前勤めておりました永寿総合病院の近くに開院させていただきました。私自身、この上野の街が大好きで、活気に溢れ、また交通の便利さも考え開業するならば上野と考えておりました。
私は現在、不妊治療を専門としておりますが、産婦人科医になった理由は、自分の子供の死でした。
正直に話しますと、私の中で産婦人科医になるということは一切考えておりませんでした。しかし、研修医2年目に産まれた双子の娘を失ったのです。2人とも沢山頑張りましたが亡くなりました。出産前からとても厳しい状態ではありましたが、妻の意志、そして、私は医師であり父親です。どうしても諦められない命でした。
妻の妊娠を知ったあとに亡くなった妻の母も、婦人科疾患をわずらっておりました。私達はその1年の間に大切な人を3人失いました。その時に、「私は一体何の為に医師になったんだろう」と考え、産婦人科医になることを決意いたしました。あの時無力であり、何も出来なかった自分自身をとても悔いております。
本来ならば、母子周産期医療に携わるべきでしたが、産婦人科医として患者様に関わるうちに、不妊治療、不育症研究に興味を持ちました。妊娠して出産するのが当たり前と思われがちですが、現に突然思いもよらないことがおきてしまう妊娠・出産は、思い通りにならないこともあります。妻も双子の娘達を亡くした後、「本当は私、今頃お母さんだったのに」と中々次の妊娠ができず、妊娠できても流産してしまい、悲しみに打ちひしがれておりました。
妻だけでなく、世の中には言わないだけ、知らないだけで、沢山の涙を流されている女性が大勢いると感じました。また現在、キャリアを重ね仕事を持ち、結婚し、しかしなかなか仕事と通院治療との両立が難しく妊娠に至らないという方もいると思います。ご家庭の事情で、夜や休日に治療に通いたい方もいらっしゃると思います。事実、本格的に治療を進める場合、何かを諦めたり犠牲にしている方が大勢いらっしゃいます。また妊娠はとてもデリケートなことなので、中には不妊治療をしていることをまわりに知られたくない方もいらっしゃると思います。
私は、不妊治療をしながらでも仕事や自分のやりたい事を諦めることなくストレスが減るよう、夜間・土日診療が必要だと感じています。また、少しでも患者様の気持ち・痛み・心の声に耳を傾け、一緒に頑張っていきたいと思っております。
最後になりますが、私どもは、患者様の味方です。私どもと一緒に、患者様が笑顔になっていくクリニックを目指す次第であります。
院長 佐藤 善啓
院長プロフィール
- 慶應義塾大学医学部卒業(平成22年3月)
- 初期臨床研修終了後、慶應義塾大学関連病院 永寿総合病院勤務
- 不育症の権威である杉俊隆先生に師事(杉ウイメンズクリニック不育症研究所に研究員として勤務)
- 杉ウイメンズクリニック不育症研究所が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 「不育症の原因解明、予防治療に関する研究」に参加
- 池袋えざきレディースクリニック勤務
- カナダトロントで開催された第61回国際血栓止血学会にて発表
- 第34回日本受精着床学会総会・学術講演会ワークショップに選出
- 第63回日本生殖医学会学術講演会・総会シンポジストに選出
- よしひろウィメンズクリニック開業(令和元年5月)
医師紹介
関 詩織

不妊治療、特に体外受精は、身体的にも精神的にも大きな負担を伴う治療です。治療による体調の変化だけでなく、感情の浮き沈みや社会的なプレッシャー、さらにはご家族やご友人に話しづらいという孤独感など、さまざまな思いを抱えて治療に臨まれている方が多くいらっしゃると思います。治療中は不安や心配が重なり、心のキャパシティがいっぱいになってしまうこともあります。そんなときは、心配事をどうか一人で抱え込まずに、相談してください。私自身、医師として、同じ女性として、患者様に寄り添い、共に歩んでいける存在でありたいと願っています。日々知識をアップデートし最善の治療を皆さんにお届けできるよう努めながら、コウノトリが皆さんのもとに訪れるその日まで、全力でサポートいたします。
関 詩織医師プロフィール
- 新潟大学医学部医学科卒業
- 国立国際医療研究センター病院(初期研修)
- 国立国際医療研究センター病院
- 焼津市立総合病院
- 東京大学医学部附属病院
- 公益社団法人東京都教職員互助会三楽病院
- 東京北医療センター
所属学会
- 日本産科婦人科学会
- 一般社団法人
- 日本生殖医学会日本受精着床学会
- 日本産婦人科内視鏡学会
資格
- 日本産科婦人科学会産婦人科専門医
得意な治療・診療スタイル
自身の経験を活かし、患者様が前向きに治療を続けられるよう、心のサポートを大切にしています。国内外の学会に積極的に参加し、知識をアップデートしていくと同時に、精度の高い採卵・移植を行えるよう技術を磨き、患者様へ還元させていただきます。
医療を志したきっかけ
小学生の頃、ちょうど国境なき医師団がノーベル平和賞を受賞し、ニュースやドキュメンタリーで世界中の人々のために尽くす医師たちの姿が取り上げられていました。その姿に強く心を打たれ、いつか自分も医師になりたいと漠然と思うようになったのが、この道を目指した最初のきっかけです。中学時代はバスケットボール部に所属し、毎日部活動に打ち込んでいましたが、15歳の時に大きな怪我をし、6時間にも及ぶ手術を受けることになりました。その後、奇跡的にまた運動ができるまで回復しました。今こうして元気に過ごせているのは、あの時手術してくださった医師のおかげです。その体験を通して、「医師になるからには、一流の技術を身につけたい」と強く思うようになりました。診療科としては、一流の手技を身につけられ、かつ同じ女性として患者さんに寄り添える産婦人科を選びました。また、不妊治療や出産といった“命のはじまり”に携われること、未来に希望をもたらす分野であることも、大きな魅力でした。専門研修を始めてからは婦人科癌や良性腫瘍に対する開腹・腹腔鏡手術、帝王切開、分娩、不妊治療など、幅広い診療を経験し、どの分野も非常にやりがいがありましたが、自身も不妊治療を経験したことから、不妊治療分野を選びました。自分自身の経験があるからこそ、患者さんの気持ちにも寄り添えると思いますし、不妊治療は命を救う医療ではありませんが、新しい命を生み人生を豊かにする医療だと考えています。とても前向きで、ある意味で“究極の医療”だと思い、日々向き合っています。
趣味・休日の過ごし方
天気がいい日は、日当たりの良いカフェで資料を読んだり、学会の準備をしたりするのが好きです。最近テレビを買ったので、家でゆっくり過ごしながら映画やドラマを見ることもありますが、アクション、ミステリー、ヒューマンドラマ系を見ます。ときどきミュージカルや音楽フェスにも足を運んでリフレッシュしています。
座右の銘や大切にしている価値観
私の座右の銘は「与えよ、さらば与えられん」です。これは、見返りを求めずに無条件で相手に愛情や支援を与えることの大切さを説いた言葉です。自分の行動が社会の役に立っていると感じられるなら、それだけで満足してよい——というアドラーの考え方に共感しています。思いやりを持って知識や技術を提供し続けることが、やがて患者さんの安心や治療の成果に繋がり、それが私にとってのやりがいとなっています。そして、この姿勢が医療の質の向上にも繋がると信じています。
宮原 明子

体外受精をはじめとする不妊治療は、心身ともに大きな負担を伴うことが少なくありません。だからこそ、患者様一人ひとりの不安や悩みに丁寧に寄り添い、それぞれに最適な治療を提供できるよう努めています。希望を持ち続けられるよう、全力でサポートいたします。
宮原 明子医師プロフィール
- 九州大学医学部卒業
- 九州大学医学部大学院修了
- 九州大学病院
- 九州厚生年金病院
- 浜の町病院
- 福岡山王病院
所属学会
- 日本産科婦人科学会
- 日本生殖医学会
- 日本産科婦人科内視鏡学会
資格
- 日本産科婦人科学会専門医
- 日本生殖医学会専門医
- 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
- 医学博士
表彰
- 第50回日本産科婦人科内視鏡学会学会賞
得意な治療・診療スタイル
現代の女性のライフスタイルに寄り添った、柔軟かつ丁寧な治療を心がけています。
医療を志したきっかけ
子どもの頃、近所の男の子が池で溺れた際に、医師に命を救われた姿を目の当たりにし、医師という仕事に強く感動しました。一方で、腎臓の病気で長く闘病していた女の子が亡くなったことには大きな衝撃を受け、命の重さについて深く考えるきっかけとなりました。当初は小児科医を目指していましたが、大学で出産の現場や手術を見学したことで、産婦人科という命の始まりに関わる分野に強く惹かれ、産婦人科医の道を選びました。
趣味・休日の過ごし方
温泉、旅行
座右の銘や大切にしている価値観
念ずれば花ひらく